ビーズワックス・精製・ホワイト(蜜蝋)
ミツバチの巣から集めた蝋。保湿効果が高いのが特徴です。
リップやバームなどの化粧品の他に、キャンドルにもお使いいただけます。
こんにちは。ライターのおおうちです。
前回は、ビーズワックスとシアバターを使ったクリーム作りをご紹介しました。
ビーズワックスは抗菌力もあり、その活用方法も幅広いのですが、今回はその抗菌力を活かしたクラフト「みつろうラップ」をご紹介したいと思います。
「みつろうラップ」はみつろう、つまりビーズワックスを布に染み込ませて作る、何度も洗って使えるラップです。
天然素材であるビーズワックスを使ったものなので、SDGsの取り組みとともに、脱プラスティックに注目が集まっている今、エコなキッチンアイテムとして取り上げられることも多くなってきました。
市販品もありますが、手作りをすると、好きな柄の布で、自分が使いやすいサイズで作ることができますし、何より作るのも使うのも楽しいです。
作り方も簡単なので、お子さまと一緒に作っていただくのもおすすめです。
わが家でも、小学生の娘が率先してチャレンジしましたので、ご紹介しますね。
<材料>
・ビーズワックス(粒状)
・ホホバオイル(あれば)
・布(綿100%のもの)
<道具>
・裁ちバサミ、または波刃のピンキングバサミ
・クッキングシート・アイロン、アイロン台
・新聞紙や汚れてもよい布・タオルなど(アイロン台が汚れないように使います)
1.準備した布地に裁ち落とし用の線を引きます。
正方形や長方形など、お好みの形で大丈夫です。
丸い形の場合はお皿などで形をとります。
※布は綿100%のものを使用してください。
それ以外のものだと、アイロンで溶けてしまうこともあるので注意が必要です。
布の厚さはブロードやローンなどやローンなどハンカチ程度の厚さのものがラップとしては使いやすいです。
ちなみに、今回は子どもの給食用ランチョンマットの余り布を使っています。
2. 1.でつけたラインに従って、布地をカットします。
通常の裁ちバサミやクラフトハサミでもいいですが、ジグザグに裁断できるピンキングバサミを使うと、ほつれにくいのでおすすめです。
3.アイロン台の上に、汚れ防止のための新聞紙や布を敷いておきます。
その上にクッキングシート、カットした布地と重ねて置きます。
クッキングシートは布よりも大きめに準備してください。
布地の中央辺りに、ビーズワックスにホホバオイルを入れて混ぜたものをパラパラとのせていきます。
オイルを入れない場合は、ビーズワックスをそのままのせます。
後から足せるので、ちょっと少ないかなと思うくらいの量でのせるのがポイントです。
ビーズワックスとホホバオイルの割合に決まりはありませんが、ビーズワックス10gに対し、ホホバオイル小さじ1程度で結構です。
ホホバオイルの代わりにココナッツオイルなども使えます。
ホホバオイルが加わることで、ビーズワックスだけの時より柔らかめのラップができます。
より密着度がほしい場合は、さらに松脂を入れるといいそうですが、今回はホホバオイルのみを追加して作りました。
4. 3.の上にさらにクッキングシートを載せ、中温でアイロンをかけていきます。
ビーズワックスがじわじわと溶けていき、布地に染み込んでいきます。
溶けて馴染んだらいったん上のシートを外します。
5.ビーズワックスが染み込まなかった部分に、ビーズワックスをのせていきます。
ビーズワックスが染み込んでいる部分は色が変わっているので、すぐにわかります。
この場合も少なめにのせていくのがおすすめです。
6. 再びクッキングシートの上からアイロンをかけます。
7.ビーズワックスが布全体に染み込みました。
8.あら熱がとれたら、クッキングシートから外して完成です。
出来上がった「みつろうラップ」は、お皿や器の上にかぶせたら、手のひらでぎゅっと包み込むようにしておさえます。
手の温かさでビーズワックスが柔らかくなり形ができるのですね。
市販のラップのようにぴったり貼りつくほどではないですが、十分にラップとして使えます。
お気に入りの布のラップだと気分もキッチンも華やかになり、気持ちもあがりますね。
あっという間にできるので、楽しくなってどんどん増産され、気づけばたくさんのみつろうラップができあがりました。
器やお皿のフタとして使ったり、お野菜やパンを包んだりすることはもちろんですが、布地にコシがあるので、折りたたんで、みつろうラップ自体を器や入れ物にすることもできました。
折り紙が得意な娘の本領発揮。
コップをつくってみたり、パクパクを器にしてみたりとアレンジが止まりません。
こういう時、子どもの発想力ってすごいなあと感じます。
水をはじくので、ちょっとしたお花を飾るときにも。
折り紙のコップの要領でつくったみつろうラップは、壁面にピン止めすれば、壁掛けのミニ花器としても。
完全に防水されるものではないので、水を入れるよりも、湿らせた脱脂綿やキッチンペーパーなどを下にいれて保湿しておくのがよさそうです。
使ったあとは水洗いをして自然乾燥を。
私はキッチンの棚にピンチをつけて、このような感じで吊るしています。
使いたいときにすぐ使えて便利です。
お花だけでなく、使いかけのハーブなども。
布の柄と入れるものの組み合わせを考えるのも楽しいですね。
「みつろうラップ」いかがでしたでしょうか。
基本はビーズワックスと布さえあればできるので、お手元にビーズワックスをお持ちの方には今すぐにでも試していただきたいくらいのクラフトです。
お手元にない方はこちらから。
2016年に「2050年には、海にいる魚の重量よりも、プラスチックの重量が上回る」と衝撃的な予測が発表されました。
2020年7月には日本でもレジ袋有料化され、紙製ストローやエコ容器・エコ資材の採用が進んでいます。
とはいえ、まだまだ私たちの周りにはプラスチックを使ったものが多く溢れていますし、日々の生活の中で、今すぐに使い捨てラップをゼロにするのは難しいかもしれません。ですが、こういった機会に、日々の生活を見直し、みつろうラップと使い捨てラップを上手に併用して、少しずつ環境に優しくできたらいいですよね。
楽しく、地球に優しいみつろうラップ、今年のクリスマスのプチギフトとしても使えそうだなと感じました。
楽しく押しつけがましくなく、みんなでエコライフを楽しめたら素敵ですよね。
さて、我が家でもまずは今日の食卓から、ちょっと意識して過ごしてみたいと思います。
<使用方法>
●基本は使用後にやさしく水洗いしてください。
汚れが気になる方は、薄めた食器用洗剤を使って、やさしく洗ってください。
※ゴシゴシ洗ったり、フキンのようにもみ洗いやしぼることは、お避けください。
●洗った後は吊るして自然乾燥し、高温にならないところで保管してください。
<ご注意>
●ビーズワックス(みつろう)を使ったものですので、材料や完成したみつろうラップを、はちみつアレルギーの方や乳児の口に入るものを包む用途では使用しないようにしてください。
またペットや乳幼児が誤って飲み込んだりすることのないように十分ご注意ください。
●みつろうは熱に弱いですものですので、直射日光、高温になるところを避け、保管してください。
●熱いものを包むと蜜蝋が溶けてしまいます。
少し冷ましてから包むようにしてください。
電子レンジや食洗器は使えません。
●肉や魚など、菌が繁殖しやすいものには使わないようにしましょう。
*2016年世界経済フォーラム、ダボス会
ライター:おおうちなみ
アロマテラピーインストラクター。ハーブ&ライフコーディネーター。「香りのある暮らしをもっと楽しく」をテーマに、暮らしに取り入れやすいアロマクラフトやコスメ作りなど、様々なアイデアを提案しています。
ミツバチの巣から集めた蝋。保湿効果が高いのが特徴です。
リップやバームなどの化粧品の他に、キャンドルにもお使いいただけます。
オイルに含まれるワックスエステルが角層に浸透し、バリア機能を発揮、保湿効果を高めてくれます。
皮脂バランスを調整する効果もあるのでオイリー肌でも安心。
ココヤシの果肉を圧搾して抽出されたオイルです。
常温では固体ですので、溶かして使ったり他のオイルと混ぜて使うのもおすすめです。
肌荒れや乾燥の気になる方に、全身にお使いいただけます。